〜 建築仕上診断技術者 〜
           ビルは経年と共に劣化していくものであるが、その劣化を放置しておくと建物の寿命を縮めることとなり、資産的価値も低下してしまう。
           また、外壁等の部材が落下して人や器物に損害を与える危険性がある。
          
           平成元年11月に北九州市の高層住宅で起こった外壁タイル剥落による死傷事故(2名死亡・1名重症)をきっかけとして、「剥落による災害防止のためのタイル外壁、モルタル塗り外壁診断指針」と「タイル外壁等剥離防止のための設計・施工上の留意事項」が建設省住宅局建築技術審査委員会によりまとめれた。
           併せてもう一つの重要な事項として外壁診断技術者の育成方策等も提言された。
           建築仕上診断技術者はこの要請に応えるため、平成2年度にBELCAが創設した資格制度である。
          
           建築仕上診断技術者は、ビルやマンションなどの外壁・屋上等の建築仕上げ部分を診断したり、外壁部材崩落防止のための定期診断などを行うスペシャリストである。
          
         
        
          〜 建築・設備総合管理技術者 〜
           建築・設備総合管理技術者は、平成3年度にBELCAが創設した資格制度である。
           その主な目的は、建築基準法8条で定める維持保全を確実に実施するとともに、ビル所有者に代わって、建築物の多岐にわたる分野の数多くの技術者の意見をまとめ、効率的な運営管理を行うことにある。
          
           建築・設備総合管理技術者は、総合的な観点から建築物の維持保全計画をまとめ、実施に責任を持つ建築物のナビゲーターであり、主に以下項目を行う。
          
            ・建築基準法第8条第2項に基づく維持保全計画の作成と運用
            ・マンションの長期修繕計画の作成
            ・維持保全の実施における各種専門技術者の統括とマネジメント
            ・建築設計、計画時における維持保全面からのアドバイス
          
           なお、時代の要請に対応して平成28年度より「建築・設備総合管理技術者」から「建築・設備総合管理士」(ビルライフサイクルマネージャー)への移行が開始されている。